秋の養生法

「自然之道、養自然之身」という言葉があります。これは、食欲も出て睡眠も気持ちよくとれるこの時期を表す言葉で、「自然のままの気候で養生できる」季節ということ。秋は夏の疲れを回復し、これから迎える寒い冬に備えるために、無理なく身体を整えられる時期なのです。
また、秋は人間にとっても体力を養う「収穫」の時期であり、それと同時に「収めていく」時期でもあります。夏のあいだ活発に動いていた陽気を体内に収める時期にあたるため、スポーツを楽しむなら適度に。あまり動きすぎて陽気を発散しすぎることのないようにしましょう。
日常の生活では、まず早寝早起きを心がけること。早寝で「潤い」を養い、早起きで「陽気」を適度に動かすことで、身体の内側から陰陽のバランスを整えます。乾布摩擦をしたり、温水と冷水を交互にシャワーを浴びたりすることで「肌」を鍛えることもオススメの養生法。肺を強くする効果もあり、冬の風邪予防にもつながります。
また、秋は木々の葉が落ち始めたり、徐々に日が短くなったりと、ちょっとした憂いを感じる季節でもあります。気分が落ち込みやすい人は、家族団らんの時間を過ごしたり、月見や紅葉狩りなど秋の行事を楽しんだりと、ストレスや鬱気分をためないように注意しましょう。家族が集まって月餅を食べ、月見を楽しむ「中秋節」という伝統の祭日があります。涼しい秋の宵、おいしいお菓子を食べながらゆっくり名月を楽しむのもリラックスできていいかもしれませんね。